2016年12月9日金曜日

Over40早碁トーナメント決勝戦大盤解説会①。

12月6日は表題の通りOver40早碁トーナメント決勝戦の大盤解説会がありましてうまい具合に仕事の休みと重なってくれましたもので行ってきました。

会場は日本棋院の7階、こんな上の階まで来るのは初めてですね。
市谷に着いたのが13時前ギリギリで、会場に入るなりスグに対局開始となります。

前回の決勝戦大盤解説会は市谷本院1階の対局ホールの半分を使って20人ちょっとくらいの参加者だったか、今回はそれよりも広めのスペースを7階に取りましたが、やっぱり参加者は前回と大差ない感じに見えました。
入場料無料で敷居が低いんですが、メジャー棋戦じゃないというのもあってかどうも注目度が低いんですよねえ。
まあ市谷本院で開催される本因坊戦の大盤解説会とかでも参加者がそんなに多いわけではないのですがね。

あー、でも下坂美織二段や吉原由香里六段が聞き手をやるとなれば参加者の数がドカンと跳ね上がるのでそういう側面もありますよねw
数字持ってるなあw
関西総本部の大盤解説会は二回しか行ってませんが、井山さんの七冠絡みで毎回盛況でした。
「俺たちの井山先生」って雰囲気が会場内に濃厚に漂っていて独特の雰囲気でしたね。

応援している棋士やお気に入りの女流棋士目当てで人が集まる現状で、大盤解説会そのものの楽しさってのが広く認知されてない現状があるんだろうなあと愚考します。
NHK杯の解説が昼飯直後で胃に血が集まって脳に血が行かない頃合いなものだから、NHKコードに沿って砕けた話は程ほどにしてとつとつと並べられると入眠が促進されて仕方がないとかありまして、そのイメージで今一つ大盤解説会に人が集まらないのかしらなどと愚考します。
解説と聞き手に左右される側面もありますが、なかなか結構面白いんですけどねえ。

閑話休題、午前中に準決勝が行われて、高尾新名人が後藤俊午九段に勝ち、加藤充志九段が三村智保九段に勝って、午後1時から高尾名人と加藤九段で決勝戦、午後3時半から優勝者とスポンサーである河野氏との記念指導碁対局というスケジュールになります。

で、決勝戦の対局はいわゆるNHK杯ルールで1手30秒の秒読みで途中考慮時間が1分で10回となっています。
予選は10秒碁で1日2局で2日で63人から4人まで進める荒業、これは大変だ。


前期のOver40決勝大盤解説会では解説が秀芳さんで聞き手が岡田結実子六段、準決勝で敗れた中小野田九段が時々意見を挟むような感じでの進行だったのですが、今回は岡田結実子六段・青木喜久代八段・小山栄美六段・穂坂繭三段のOver40女流棋士四人がリレーで大盤解説を務めるというちょっと変わった進行でした。
そこに準決勝で惜しくも敗れた三村智保九段と後藤俊午九段が加わる場面もありまして大盤解説は総じて和やかに楽しく進行しました。

対局内容の方は黒番高尾山が意欲的に仕掛ける白番加藤九段を厚く受けているうちに左辺から中央に向かう競り合いの中で高尾山が技ありを取って一気に形勢が黒番高尾山に傾き121手と短手数で高尾山の中押し勝ちとなりました。
想定していたよりもかなり早く対局が終わってしまったので、実は間仕切りを挟んだすぐ向こう側で対局していた対局者が解説会会場の方に来まして、長い目に時間を取ってじっくりたっぷり大盤で検討をやってもらえまして、新名人を間近に見られてちょっとお得な気分になれました。

で、想定よりも早く対局が終了したのでスポンサーの河野氏と優勝者である高尾名人との記念指導碁の開始時間が30分繰り上げられまして、三子局の手合いで開始されます。
準決勝で敗退した後藤九段・三村九段と準優勝の加藤九段がそれぞれ1回ずつ助っ人で一人5手だけ代打ちする特殊ルールで、白勝ちなら追加賞金30万、黒が勝てば助っ人側に賞金各10万円という設定なので助っ人側もそれなりに真剣だったりします。

総じて助っ人側がスポンサーの河野さんの棋力を測りかねて難解複雑な進行を避けて簡明なワカレを目指したところがあり、局後の高尾山曰く「助っ人が入る度に白が有利になっていった」とのことで、助っ人側も指摘を素直に認めてもっと深く踏み込んだり戦ったりすることが出来たので黒番河野さんの力量を信じて厳しく行くべきだったと悔やんでいました。
最終的に白8目くらいの勝ちだったか、左上隅で白から五目くらいヨセられる所が残っていましたが勝ち確定なので最後まで手を付けず10目未満の勝ちに収束させたようです。

話が長くなり過ぎるのもアレなので対局内容と直接関係のないよもやま話を別エントリにて。



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