2018年2月7日水曜日

LG杯決勝第二局大盤解説会。

勝った、勝ったよ!
終局整地して黒地24目・白地18目でコミ六目半で白番の井山さんが半目勝ちと正式に結果が出た際には会場割れんばかりの拍手でした。

正直、2タテで負けてしまうのも十分予想されまして、それでも俺が応援しに行かないでどうするよという感じで、暗黒時代の虎党の気持ちが少し分かったような気がしましたw
で、行ってみたら素人目にもこれ井山さん劣勢だよね?という感じで見ているこっちもツラい気分になるところでしたが、いやあ井山さんよく辛抱した!よく頑張った!

総譜 https://www.goer.live/meteor/game/htq6t?utm_source=facebook&utm_medium=post&utm_campaign=LG2
見れますかね?

順を追って話をしていきますと、会場の入りは第一局と同様で開場間もなく200席設営された席が半分埋まって、その後じわじわ増えて行って解説会開始後間もなくほぼ満席となり立ち見が出る盛況でした。

解説は高尾山、聞き手は第一局に引き続き吉原由香里六段、PC操作担当が寺山怜五段という顔ぶれでした。
立会人のメイエンさんが会場に現れてちょっとだけ解説





















高尾山がとにかく「分かりません」を連発しましてちょっとこの人正直過ぎやしねえかと思っていると由香里先生がご立腹して「分からないだけなら私でも言えます!」と厳しいツッコミを入れまして、高尾山がおびただしく狼狽してPC操作担当の寺山くんに物凄く頻繁に助け舟を求めるなどあり、日本と中国の最高峰棋士の対局を解説するのは大変やなと少し同情したりしました。

対局内容の方ですが、白20ツケあたりから黒優勢の意見が多くなってきたようでして、要は対隅の三々へのカタツキが丁度良いシチョウアタリになっているのであまり黒に良い図が出来ないというのが定説らしく、白番の井山さん窮したかのように見られていました。


























シチョウがらみの競り合いから白56グニャマガリが凄い手だとの評判でしたが、その後の進行で野狐での絶芸が表示する黒の勝率が90%を超える場面もあったようです。
























台湾の囲棋人という対局サイトの中継で使用された囲碁AIの勝率表示でも黒が一方的に優勢で終盤まで井山さん我慢の展開が続いたのは間違いないようです。

台湾なのでCGIGoIntelligenceなのでしょうかね











高尾山の見立てでは転機となったのは黒171オキだったらしく、結果としては隅の白石と下辺の黒石の攻め合いは黒一手負けになり白番の井山さんは潰れを回避することになりました。
黒からもっと上手い手があったはずとのことでした。





















続いて左辺の白の一団を生きて、右辺の白石の一団がコウは不可避と思われていたところを無条件生きとなり非常に細かい形勢になります。
っていうか井山さんヤバかったところ全部シノいでるじゃん、すげーな!
半目勝負が予想される予断を許さない局面が続きましたが大盤解説の高尾山曰く最後の決め手は白282ツケコシで、ここで半目負けかと思われたところが一目ひっくり返ったとのことでした。



























しかし、第一局で勝勢との見立てに浮かれていたら勝負手から事件を起こされて大逆転負けして失意のズンドコに落とされた悪夢があるため、聞き手の吉原由香里六段を始めとして会場の俺らも家に帰るまでが遠足というか下駄を履くまで分からんというか、実際勝ちが確定するまでは安心出来ねえぞ!という、謝爾豪五段相手ではまだまだ安心できない心境でいました。

野狐の絶芸的には黒223サガリで右辺の白と右下隅の黒を生き生きにした時点で黒の勝率が60%くらいから13%までガクンと落ちたみたいですね。
絶芸先生としては右辺の白を五目中手にして右下隅も黒もオキを食らって部分的には眼が二つない形になるけど構わず攻め合いかコウ争いに進行して欲しかったようです。

実際この右辺白と右下隅黒が生き生きで治まった時点で高尾山と寺山くんで計算をしたところ井山さんが一目足りないのだけれどもどこかでヨセの手筋で得をすればひっくり返せるのでまだまだ分からんよねという話でした。

早打ちの謝爾豪五段とは対照的に時間を使って考えてかなり早い時期に1手40秒の秒読みに入っていたと思われる井山さんですが、非勢のところを八方全部シノギきって形勢不明に持ち込んで手筋一閃で半目勝ちにするという国内棋戦で高尾山や山下さん河野臨さんあたりにやっていたような覚えのある展開でして、当の高尾山も「私も何度もやられてるんですが、これをやられるとすごく悔しいんですよねえ」と捨て身で笑いを取っていました。

実際、謝爾豪五段はかなりショックだったようで終局後検討一切なしで石を片付けて席を離れてしまいました。
中国からも報道関係者がたくさん詰めていて局後のコメントをしなければいけないので、すぐに席に戻されていましたが、相当こたえたみたいですね。

さあ泣いても笑っても明日が最終の第三局ということで、解説が張栩九段で聞き手が万妹の大盤解説会に明日も行ってこようと思います。
今日以上に激混みになるかもしれないのでちょっと早い目に出た方が良いかもしれませんね。

頑張れ、井山さん!


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