2018年2月17日土曜日

棋聖戦第四局大盤解説会@東京本院

井山さんが四戦全勝で棋聖位防衛を決めましたねえ。
当初からその可能性は充分あると思っていましたが、第5戦・第6戦ともつれてくれた方が個人的には有り難いのでその手の波乱・番狂わせの類は大歓迎だったわけですが、一力くんには一勝が遠かったということですねえ。

それでまあ日本棋院東京本院での大盤解説会に行ってきました。
来場者はいつものように20名弱、開始後も数名の来場があったかなーというこれまたいつものような展開でした。
解説は前田良二七段で東京本院の囲碁教室で講師を務められていてアマ指導の実績がとても高い先生のようです。

難解な局面に盤面を見つめる前田先生の図






















現局面に追いつくまでは予習されていたところもあってか、アマの俺らにも分かった気になれるような配慮にあふれた解説をしてもらえましてとても良かったのですが、解説が進行に追いつくと立て板に水とは行きませんで解説する言葉に詰まって無言になる場面が何度もありました。
これは無理からぬ話で、棋聖戦第一局の現地大盤解説会で林漢傑七段が次の一手クイズで「ここだけは絶対にない」と全否定したところに井山さんが打って林七段が面目を失うなどあり、日本でずば抜けてトップの井山さんと誰しも認める二番手の一力くんという日本最高峰の棋士による対局は現地検討室で並み居るプロ棋士が「難解だ」と頭を抱えるところであり、大盤解説で場つなぎに適当なことを言うと後で赤っ恥待ったなしという難易度の高いミッションですよね。

それでお約束の次の一手クイズでは「分からないから」という理由で候補手を挙げることを前田七段が全力で拒否されまして、各々が座標を指定する形式になりましたw
丁度上記画像の局面で次の一手クイズになりまして右上隅黒四子への利かしで18-七ハネで用紙を出しましたら正解となりまして色紙がもらえることになりました。
ハネの後にカケツいでコウにはじくとはゆめゆめ思いませんでしたけどねw

正解者三人に対して用意された色紙が三枚で丁度良い按配の展開、武宮さんと一力くんと前田七段の色紙が一枚ずつということでしたが厳正なる抽選の結果私は前田七段の色紙がもらえることになりました。

ある意味レアアイテムなのか



























対局内容の方ですが検討室の評判では一日目終了の時点では白番の一力くんが若干良いのではないかとの評判だったようで、ニコ生でのDeepZenGoや野狐での絶芸は黒番の井山さんがかなり良いという数値を出していたのとは対照的な話でした。
まあ囲碁AIが見えている人外の読み筋と対局者を含めて人間が見ている筋ではステージが違うので齟齬が生じるのもやむを得ないのですかねえ。
で、人間界では評判が良かった白32のブツカリですが絶芸先生には随分と不評だったようでこの先打てば打つほど白の勝率が低くなる展開でしたね。
前田先生曰く井山さんの封じ手黒73がすごく良い手でここからの競り合いで黒がポイントを稼いだ一方で白は生きた石の眼の分くらいしか地がない感じで大きく差がついてしまったとのことでした。

序盤の左上隅のワカレがずっとコウ残りのままでしたが、コウダテとの引き算で考えると大儲けというわけには行かないみたいで、既に左上のコウでひっくり返せる差ではなく最後まで使いどころが無かったということのようでした。

一力くんが踏ん張って第五局があれば来週にもう一局あったのですが、2月はこれにて囲碁イベントはひと段落ですかね。
3月の一連の囲碁イベントに関してはまたいろいろ考えないといけないのですが、それはまた別エントリにてということで。


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