謝爾豪五段は早打ちな上に読みが正確無比で強かった!
開場11時半というので少し早い目に出て11時過ぎに日本棋院に到着したのですが会場二階大ホール前から階段の踊り場あたりまで開場待ちの行列が出来ていましてビックリ仰天です。
並んでないけど1Fエントランスロビーで開場待ちしている人たちも合わせると一体何人になるのやら。
スタッフで行列を管理できなくなるのを危惧したのか、程なく開場されましてあれよあれよと会場が半分埋まります。
増席して270席くらいと思われましたがすぐに半分埋まりまして、その後も来場者が途絶えることはありませんで、立ち見が出る状態になりました。
後で知ったのですが一階のエントランスホールに常設されているモニターで観戦してもらうべく急遽臨時席を設営したようです。
これは解説会終了後の一階臨時席の様子 |
解説は1日目も担当した張栩九段、聞き手は万波奈穂三段、PC操作担当が昨日に引き続き寺山怜五段という顔ぶれでした。
治勲さんと組まされても当たり負けしない万妹に「絶芸の数字が気になりますね」と言われて張栩さんが「いいじゃないですか、せっかく私がいるんだから」とかせつない気持ちになる展開などあり第一局の吉原由香里さんとのペアとはちょっと違った感じの展開になりましたw
さて対局内容ですが、張栩九段としては上記画像にもある井山さんの黒95ハネダシが良くない手で一気にここで形勢を損なうことになったとのことです。
それまではほぼ互角の形勢でしたが・・・ |
張栩九段的にはここはQ-17ヒキの一手しか考えられないところ、下手にハネ込んだばかりにサバキ筋に入ってしまい黒の勢力圏内でも簡単には死なない形になってしまったとのことです。
往復ビンタ! |
このサバキ筋でよく見る白3・5のアテアテですが張栩さんの家で子供さんに碁を教える際には「往復ビンタ」という呼称を使っているのだそうで、聞き手の万妹がこの呼び方をいたく気に入ったみたいで、別の場面で「さっき言ってた往復ビンタですね~」と言ったらば「別に流行らせなくてもいいですよ」とちょっと嫌そうな顔をしていましたw
結局右辺に打ち込まれた白石を捕獲すること能わず、はっきり黒番井山さんの非勢となりました。
しかしここからあの手この手で井山さんが白の構えの不備を追及して来まして、謝爾豪五段がこれをかわし切れるかどうかという焦点になってきます。
まず黒133オキで中央に事件を起こそうとします。
あわよくば中央の白石を・・・ |
右側のデギリ狙いと左下隅の死活、両方をシノぐことが出来るか |
これも回避されて井山さんは黒173で最後の戦いを挑みます。
コウにでもなればコウダテの数では負ける気がしません。
隅で事件が起きたり左辺が大きく黒地になれば白の優位が崩れかねません。
謝爾豪五段、これを無条件で仕留められるか。
右側黒三子の取られっぷりが悪いのが関連して利き筋が発生すると・・・ |
これまで早打ちで時間をたっぷり残していた謝五段ですがこの手は想定していないかったのかピタリと手が止まりまして長考します。
結局これを読み切ったと思われまして、井山さんも読み切られたと観念したようで矢尽き刃折れたということで無念の投了と相成りました。
会場で見ているこっちまで精神をすり減らされるような内容の碁で対局が終了した時にはドッと疲れが出ました。
引き続き表彰式となりまして両者に簡単なインタビューがあったのですが、優勝した謝爾豪五段がコメントを求められて曰く「普通にうれしいけど、すごくうれしいということはないです。」と通訳を通して発言しまして「なんだそりゃ?」ということで満場がドッと湧きましたw
決勝三番勝負を前にしたNHKのインタビューで「井山さんは確かに強いがまだ世界棋戦で優勝するのに相応しくない。普通に打つことが出来れば私が優勝するでしょう。」と不遜とも取れる発言をしたそうで、カケツさんと同じく生意気な悪ガキタイプなのかなと思っていたのですが、この発言を見て天然キャラの不思議ちゃんではないかと思えました。
あと通訳の中国のオッサンが操る日本語がなんだかもう猛烈に心もとないというか怪しいので中国の棋士の発言内容が正しく日本の俺らに伝わってない可能性もあるかもしれんなとも思われますがw
まあ何だ大陸の棋士は多士済々ですねえ。
そして井山さんは今回大変残念でしたが今後もまだチャンスはあるかと思いますし、虎丸くんなどポスト井山の若手世代の猛追も含めて今後に期待したいですかね。
井山さんお疲れ様!
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